屋根カバー工法の流れ
足場設置
下準備が工事の要
スレート屋根は劣化が進み、色あせやコケが目立つ状態です。表面に水がたまっているため、防水性が失われています。さらに、隙間が大きく、名刺の厚みでも入るほどに空いており、指で押すと反りがあります。
工事は、まず安全な作業を行うために仮設足場を設置することから始まります。
既存板金の撤去
カバー工法に不要な部分を取り除く
既存の棟板金とその下地となっている木材を取り外します。撤去した後の、下地になっていた木材を見てみると、腐ってぼそぼそになってしまっていることが多いです。これは、新築してから年月が経つにつれ傷み始め、少しずつ雨水がまわってしまっていたためです。しかし、既存の屋根の下地に防水シートが使われていれば雨漏りすることはほとんどないため気づきにくいです。
雪止め金具が取り付けられている際はこれも取り外し、木っ端などのクズをすべて清掃しきれいな状態にしておきます。
カバー工法の場合、撤去するのはこれらの部分のみなので、解体費や廃材処分費を削減することができます。
防水シート貼り付け
ルーフィングと呼ばれる防水シートを敷設
防水シートを貼ります。万が一新しい屋根材から雨がまわってしまっても、防水シートを貼っておけば雨漏りすることはないので安心です。防水シートにもいろいろな種類がありますが、お住まいの形状や工法も踏まえて、最も適した材料をご提案させていただきます。
防水シートの代表的な種類
アスファルトを合成したもので、優れた防水性能を誇るシートです。他のシートと比較して価格が安いです。
アスファルト、合成ゴムや合成樹脂を混ぜて防水性能を格段と上げたものです。いわば、アスファルトルーフィングを強化したシートだといえます。高温や低温にも強く、弾力性や耐久性能が高いです。
合成繊維を元にしたシートのことです。そして、上記2つで使われていたアスファルトが含まれていないのが特徴です。上記2つのルーフィングと比較して、浸透性が高く、防水性能も優れています。
寿命に特化したシートです。さらに接着性も強く、防水性も優れています。
ゴムアスファルトと不織布を合わせたものです。
ポリエチレン製の不織布が使われている防水シートです。こちらは自宅内に溜まった水蒸気を上へ排気させることができるのが特徴です。しかし、他の防水シートと比較すると防水性は劣っています。
役物加工・取り付け
職人の熟練の技が光る
軒先から順番に本体を張っていきます。そのスタートになる軒先スターターや谷水切りなどの役物と呼ばれる板金を加工し取り付けます。
既存の破風板や鼻隠しの傷み具合によっては、ここで板金を巻くこともあります。なかなか足場を建てる機会もないので、この機会に雨樋やその他の付帯する箇所のお手入れをされるのがおすすめです。
本体取り付け
地震に強い嵌合方式
軒先から順番に本体をビス止めしていきます。「嵌合(かんごう)方式」という方式で取付ける構造になっており、取付けた本体の上部に、次に取付ける本体の下部を引っ掛けながら固定していきます。この方式によって、揺れにも対応できる地震に強い屋根になります。雪止めも適切な数を取付けながら張り進めます。
棟板金取り付け
美観を左右する棟板金
最後の仕上げとなる、棟板金の取り付けをします。下地となる木材をビス止めし、その上に板金をかぶせて固定します。屋根の美しさは棟で決まると言っても過言ではありません。板金の折り加工や納まりのきれいさで職人の腕がわかります。ガイソーには、熟練の腕利き職人が多数在籍しておりますのでご安心ください。
シーリング処理
防水仕上げ
雨水が侵入しないよう、シーリングによる防水処理を施します。屋根と壁の取合いの所などもしっかりとコーキングで埋めていきます。既存の屋根に防水シートを貼って施工しているとはいえ、万が一のことがないよう念には念を入れて丁寧に処理します。
完成
耐久性・断熱性・遮音性UP!
これにて完成です。金属の屋根材は、雨が屋根に当たったときの音がうるさいのではとご心配される方も多いですが、スーパーガルベストやガルテクトのような断熱材をサンドした材料なら、部屋の中で聞こえる雨音は最小限に抑えられる上に、断熱効果で2階のお部屋に熱がこもるのも軽減してくれます。耐久年数は驚異の20年。長持ちする丈夫な屋根にしておけば今後も安心ですよ。